極彩妖怪百物語

妖怪画家が、過去の怪画を怪説付きでご紹介。怪説は全て創作です。

002 #恙(つつが)虫。


噛まれると大変な虫。故に無病息災であることを「恙無し」と言う。
今は、ダニの一種の名称となっている。
ツツガムシ病。野山でツツガムシに刺されて2週間。悪寒と高熱が生じ、頭痛、筋肉痛、倦怠感に襲われる。全身に紅斑、紫斑が浮き、さらに眼の充血、喉の腫れ、内蔵が冒され、治療が遅れれば死に至る。
ムシは小さく、刺された自覚もなく、発症しても原因不明で手遅れとなる。重要なことは噛まれた痕を見つけること。周りが黒ずみ、膿の出る小さな痕だという。
妖怪より、リアルが怖い。