極彩妖怪百物語

妖怪画家が、過去の怪画を怪説付きでご紹介。怪説は全て創作です。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

030 #提灯お化け

提灯に不意に顔が現れても驚くなよ。その瞬間に魂を抜かれるんだ。

029 #児啼爺

その土地はね、貧しくって、作物も育たない枯れたような土地なんだ。 それでな、大きな声では言えないんだが、そのう、間引きってわかるかな? 生まれすぎちまった赤ん坊や、寝たきりになった年寄りをな、山の奥の方に、な。判るだろう? そんなしきたりがあ…

028 #土転び

山を登ってると、上から転がってくる。小さいものは土の塊くらいにしか見えない。ツチノコと同じだって話もある。

027 #ぬっぺっぽう

目も鼻も口もない、肉の塊の姿をしている。江戸時代、急にお城の中に現れ、騒ぎを起こした事があった。足は速いようだ。

026 #鬼女紅葉

謡曲『紅葉狩』で有名な、妖術つかいの鬼女。生まれ故郷の鬼無里村では、神様のように敬われていた。

025 #栄螺鬼

美女の姿で船に現れ海賊を誘惑し、あの最中に局部を食いちぎる。謝ると返してくれた…って話はどこまで本当なんだろう。

024 #毛有化現

髪の毛の塊が床を這い回ったら、もうなんの説明も要らない。妖怪だ。

023 #鬼髪

頭にとりつく魔。針のような剛毛が、頭の外側にも内側にもどんどん伸びて脳に突き刺さる。 体は嬉しいことでもあったかのように、 ぴくんぴくんと跳び跳ねる。 やがて死ぬ。

022 #狐

幻覚を見せて人を誑かす獣。伝説や慣用表現に頻繁に登場する。

021 #狸

大入道などに化けて、人を驚かす。ある意味、弱点を最大限に武器にする妖怪。

020 #輪入道

京都の町を夜中に転がっていたという妖怪。覗くと身内に害が及ぶ。おそらく、死の概念が形をとって現れたもの。

019 #つるべ火

木からぶら下がる怪火。熱くない炎だと言う話もあれば、この怪火でタバコに火をつけたという話もある。

018 #大首

伝承はないが、出たら怖いことだけは誰にでも即座に理解できる。狸が化けるとか。