極彩妖怪百物語

妖怪画家が、過去の怪画を怪説付きでご紹介。怪説は全て創作です。

2020-10-09から1日間の記事一覧

074 #雨女

雨の気が凝り固まったもの。 雨の日の倦怠感や頭痛、鬱な気分は彼女の仕業。 多分、じっとりと重たい恋愛が好き。 失恋したときのだるい、力が入らない感じが好き。 そのあと、時間をかけて行う、復讐も好き。 日本は温暖湿潤気候、涙はなかなか乾かない…。

073 #網剪 あみきり

例えば、干してあるバスタオルやシーツなんかを、お店の暖簾みたいに切り込んじゃう奴。 シャツを背開きにしちゃう奴。

072 #一目連

暴風雨を操る片目の竜。神社に祀ってあることもある。東海道は桑名宿の周辺で神社を見たなあ。

071 #雁木小僧

雁木のようなギザギザした歯を持つ河童。 魚は骨まで食べられる。 いや魚どころではなく、

070 #火車

臨終間際の爺さんをじっと見つめる猫がいた。 あれはどこの猫かしら。ここらで見ない顔だけど。 そして葬式の日、俄に黒雲が拡がったかと思うと、 猫と爺さんの遺体が消えた。

069 #骨からかさ

からかさを一瞬にして骨だけにする魔物 皮を剥がれた傘はおちょこになっている。 台風の時、よく出逢う気がする。 骨だけしかない自分の体に纏うために、傘の皮を奪うのだろうか。 では、傘をさしていない人は、気を付けないと。

068 #食わず女房

飯を食わない、と言っていた女房は、 実は食べているところを見られたくない女房だった。 どうしてかと言うと、鯨のように喰うから。 それから、実は彼女は化け物で、正体を現さないと飯が食えないから。 さらに、正体を現すと、口の位置がー

067 #桂男

月の中に棲んでいて、目を凝らしてみていると、 手招きを始め寿命を縮める。