極彩妖怪百物語

妖怪画家が、過去の怪画を怪説付きでご紹介。怪説は全て創作です。

2020-06-18から1日間の記事一覧

009 #舞い首

三人の仲が悪い武士、喧嘩の結果の巴打ち。 死後もお互い掻き切った、三つの首が海の上。 炎を吐いて舞い狂い、果てなき喧嘩と浪の花。 なんて韻文を即興で考えた。 悪くない。 あとは、あの三つの頸の目を掠め、 無事に帰って清書するだけだ。

008 #ぶるぶる

体がぶるぶると震えるのは、この妖怪が襟元にしがみついてぶるぶるするからだ。目には見えないけど、そうなんだ。今だってそうだ。 僕が震えているのは、ぶるぶるのせいであって、 目の前の「あれ」が怖いからじゃない。主に、臆病者に取り憑く妖怪。