三人の仲が悪い武士、喧嘩の結果の巴打ち。 死後もお互い掻き切った、三つの首が海の上。 炎を吐いて舞い狂い、果てなき喧嘩と浪の花。 なんて韻文を即興で考えた。 悪くない。 あとは、あの三つの頸の目を掠め、 無事に帰って清書するだけだ。
体がぶるぶると震えるのは、この妖怪が襟元にしがみついてぶるぶるするからだ。目には見えないけど、そうなんだ。今だってそうだ。 僕が震えているのは、ぶるぶるのせいであって、 目の前の「あれ」が怖いからじゃない。主に、臆病者に取り憑く妖怪。
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